11月2日から3日にかけて、国立民族学博物館の広瀬先生と青森県立盲学校の増子先生と僕の3人で、三内丸山遺跡近くの青森県立美術館に行ってきました。特別展「タッチ・ザ・アート!~触れて体感、アートの感触~」で展示されていた、触る資料や作品の触学調査と、展示手法の調査をするのが主な目的でした。さすが美術館!!触ることや音を鳴らすことのできる資料や作品を上品に並べ、縄文の出土資料と作品との関連性も持たせ、なかなか面白い展覧会でした。訪問当日は、特別展の担当者である細矢さんや、特別展への協力者である青森大学ソフトウェア情報学部の小久保先生も立ち会ってくれ、触るだけでは分からない様々な裏話とともに触学をすることができました。また、一通り触学した後は、お二人とともに研究懇談もしました。障がい者アート事業で、絵画を触ることについての研究を3ヶ年で行っているとのこと。今回の特別展もその研究の一環としての開催でした。2年ほど前に広瀬先生の科研費「誰もが楽しめる博物館を創造する実践的研究」で同館を訪れた際、我らが小山館長が「この美術館はほろびるぞ!」と発破を掛けたのも影響しているのかもしれません。 全国の博物館・美術館に触る展示がどんどん広がっています。ただ単に資料や作品を来館者に触ってもらうだけではなく、触ることの意味や意義、そして、触ることでより身近に感じることができる展示とはどういった展示なのかを、館も来館者も共に考えるなど、皆で触る展示を育てていくことができればと思っています。
1~2ヶ月に一回程度、民博の4F特別研究室(「とっけん」と民博の研究職員は呼ぶ)で研究会の後などに館員の懇親会があります。仕事があるので今日は出ないつもりだったのですが、懇意にさせてもらっている研究職員に2度も誘われ、ちょっとのつもりがこの時間に・・・。昔の話を含め、民博の良いところを凝縮した話が聞け、いつも充実しています。でも、これもあとわずか。ちょびっと寂しいです。と、酔った勢いで感傷に浸っています。
ところで、それほど意識的に転送している訳ではないのですが、最近、急に博物館の募集情報が増えてきました。そういう時期でもあるのでしょう。良いことではありますが、非常勤や契約が多いのが気になります。まあとにかく募集情報が多いので、職員募集のカテゴリを新規作成しました。ぜひ、ご活用ください。
渡航目的:
米国及び西インド諸島セントクリストファー(セントキッツ)・ネーヴィス(以下、セ国)のミュージアムにおける言政学的取り組みについてのインタビュー及びフィールド調査 渡航目的国: 米国(ボストン、NY、ワシントンDC)、セ国 渡航期間: 自 平成23年1月14日~至 平成23年 1月31日(18日間) 目的・効果等: ●目的 ボストンこども博物館(in Boston)は、1913年に開館した米国国内でも老舗のこども博物館である。1963年に就任したマイケル・スポック元館長が打ち出した「ハンズ・オン」のプログラムは世界中に大きな影響を与えた。異文化や環境問題に関する展示が多く、日本の若者文化を知る展示もある。このボストンこども博物館において、1月16日に民博と同じ人間文化研究機構の総合地球環境学研究所や国立歴史民俗博物館等の教職員らが子ども向けのワークショップを開催する。本ワークショップは、日本の研究者集団が米国のこども博物館において米国人を中心とする子ども達対象に実施する稀有な例であり、これに運営者の一人として参加することで、その言政学的背景などを調査する。 グッゲンハイム美術館(in NY)は、運営をグッゲンハイム財団が行い、IRSによって501(c)3団体に認定されている。当財団はニューヨークのほか、ヴェニス、ビルバオ、ベルリン、アブダビにも美術館を持っている。企業の法制とは異なり、各国における財団の法制度、税制は非常に異なっており、国際的な展開が非常に難しい中での運営について、当財団の担当者から直接話を聞く予定である。言語上の問題も、美術館の国際的な展開では大きな障害になっているものと思われるので、このことについても調査したい。ワシントンDCにおいても本研究課題について情報収集する。 西インド諸島・セ国の博物館は筆者が離任してから3年以上が経過した。その後アフリカ系住民有志による博物館運営が、マジョリティを占めるアフリカ系住民の権利回復運動や文化的アイデンティティの構築にどのような役割を果たしているかを調査する。こうした文化運動の際に生じる問題として、歴史的に英国に支配されていたために英語を使用するようになった住民が、現代においてアフリカへの回帰を願う運動を繰り広げる際に、西インド諸島やアフリカの中でも英語圏を中心とした地域との連携や交流に偏っていないか、仮にそうだとしたら、それが新たな文化的アイデンティティを構築する際にどのような影響を与えているのかを調査する。また、来館者は豪華クルーズ船で訪れる欧米人観光客が圧倒的に多いセ国の博物館にとって、英語でのみ解説キャプションやパンフレットを作ることの意味と影響についても調査したい。 ●効果 筆者は、今年度より言政学の調査を博物館学的視点から進めており、現在今年度の成果をまとめる段階に入っている。今回の渡航は、海外の事例を調査し、博物館における言政学的課題を博物館学的視座から考察する上で、重要な機会となる。
ちょっと前のことになるが、11月6日から13日まで出張で上海に行ってきた。国際博物館会議(ICOM)上海大会に出席するためだ。会場は、10月31日まで上海万博が開催されていた中にある。万博跡地には万博開催時に記者会見などで使用した世博中心(万博センター)という巨大な建物があり、そこで開催された。
****************************** 2010年は3年に一度のICOM大会開催の年であり、11月7日から11月12日までの6日間にわたって上海大会(第22回代表大会・第25回全体会議)が開催された。大会は、博物館と博物館専門職員にとって世界で一番重要な会議の一つに位置づけられており、総会や基調講演、博物館教育、展示、保存など、様々な切り口から総合的に博物館を考える上で良い機会となった。 本大会のテーマは、「社会的調和のための博物館」となっており、博物館の使命が見失われがちになっている現在の日本の博物館にとって、大変意義のある会になった。筆者は、かねてより博物館学の実践的研究を進めており、現在それらの成果をまとめる段階に入っている。今回の渡航は、海外の意欲的な実践事例を調査し、停滞気味の日本の博物館の今後を博物館学的視座から考察する上で、重要な機会となった。 ※国際博物館会議(International Council of Museums = イコム) イコムは各国の国内委員会、国際委員会、加盟機構及び地域機構の場で協力して活動する会員で構成されており、世界的な博物館の情報拠点として活動を続けている。世界110カ国に国内委員会を持つと共に、29のイコム国際委員会を持ち、世界レベルでの情報交換機関となっている。また職業倫理規定の設定、規則の制定に中心的役割を果たしている。 以下、写真とともにICOM上海大会や上海万博跡地などの様子をごく簡単に報告する。 大会初日。開会式は夕方からのため、上海博物館に見学に行ってきた。上海博物館の前には、写真のようなICOM上海大会開催を記念する花壇まで設けられており、これから始まる大会の凄まじさの一端をまず見せつけられる形となった。 上海万博跡地の入口の一つ。万博の閉会後なので当然ではあるが、まったく人がいない。ICOM上海大会参加者は一人一人立派なIDカードを渡されていたので、厳重な警備の中、撤去作業をする工事関係者などとともに万博閉会後ではあるが唯一会場内に入ることができた。 万博センター前に設置されたバナー。 万博センター入口と案内ボランティア。 大会初日の開会式。盛大というより、国力の誇示といった感じだった。要人のスピーチの前に必ず軍歌のような歌が流れていた。この建物や万博開催自体が国力誇示の象徴的なものではないだろうか。 さまざまな演舞・歌劇団が次々に出てきて、美しい歌声やアクロバティックなダンスを披露した。 初日の晩餐会場。とにかく何もかもが巨大だった。 大会2日目。ICOM大会の会場前にある看板。日本で開催することになっても、こんなお金の掛かるものは作れないだろう。 チャンネル5で日本語の同時通訳が入るはずだったが・・・。ICOM実行委員側と日本側の調整不足か。日本人参加者は呆れ返りつつも英語の同時通訳を聞いていた。 CECAという博物館教育と文化活動についての委員会の風景。日本からも1人発表者がいたが、どの国の発表よりも、博物館で行う教育活動として意義のある発表だった。博物館教育は、世界的にも「これって、博物館でやる意味があるの?」という活動が多すぎるような気がする。 大会3日目。上海万博は終了したが、大会関係者の為に、特別に一部施設を公開してくれた。公開するには、ただ建物を開けるだけでは不十分で、人件費から、高熱水費から様々な費用が掛かるのに、我々だけのために開けてくれた。この写真は中国館。 人がほとんど・・・ というより、まったくいない!!ほとんど独り占めといっても良いような環境で見学させてもらいました。「人類の進歩と調和」ならぬ「人類の辛抱と長蛇」の中、ようやく中国館に入ったは良いものの、人ごみの中落ち着いて見学できなかった方、申し訳ない!! その代わりと言っては何だが、こんなショップの悲しい風景も目にすることに。 また、万博会場のこんな撤去作業も。栄枯盛衰の理を・・・ではないが、万博というイベントの性格上いた仕方ないとはいえ、やはりこういった風景を目撃してしまうと、なんだか悲しくなる。 人っ子一人いない世博軸。 ATMも撤去。 しかし、ICOM大会会場内は、やはり熱気にあふれていた。これは、大会参加者のために設置された、様々な博物館関連企業や中国国内の博物館、博物館に関係する非営利団体などのブース展示場(ミュージアム・トレード・フェア)。なかなか面白かった。 こんな出来の悪いロボットから・・・ すぐれた出来のロボットまで展示されていた。左の2人がロボット。 大会4日目。上海の博物館への視察の合間を縫って、上海博物館近くの花鳥魚虫市場に行ってきた。これは亀を売る店。 亀。 虫と虫カゴの店。 虫と虫カゴ店の中.1。 虫と虫カゴ店の中.2。 昆虫の博物館で勤務する知り合いのために購入した虫カゴ。 虫カゴの中に入るべき虫。もちろん購入していません。 大会5日目は、杭州の博物館への視察旅行。ずっと警察が僕らのバスを先導してくれた。VIP扱いだったのか、それとも監視されていたのか?? お茶の博物館の入口付近。ここに限らず、中国の博物館には必ずこういったプレートが掲げられているようだ。中央2段目には「杭州市愛国主義教育基地」とある。 中央3段目には「国家二級博物館」と。地方にある博物館が2級なのか、規模で決めているのか、質か??どんな基準があるのか気になる。 これは布の博物館。織っているのは本物の人間。生体展示、行動展示と言えるか。19世紀に先進諸国の万博に連れて来られた非西洋人の人間展示を連想させる。 大会6日目(最終日)。なんと、閉会式に突然(少なくとも一般参加者にとっては突然)、ジャック・シラク前フランス大統領が登場。会場がどよめいた。この後に、ICOM旗が上海から次回大会開催地であるリオデジャネイロ(ブラジル)に手渡された。 閉会式の後、別会場の最後の晩餐まで時間があったので、知り合いと共に街へ繰り出す。上海では、「エスカレーターは左は歩く人用、右は立つ人用で、それが文明的なエスカレーターの乗り方」なのか??(写真中央上部を参照) 中国では中南米の革命家チェ・ゲバラが人気なようで、Tシャツを着ている人も何人か見かけた。 歴史的建造物で観光地にもなっている所の周辺には、歴史的建造物を真似た建物が軒を連ね、商売に勤しむ。リアルな空間とリアルでない空間が交錯する。もっとも、この世にリアルでないものなど存在しないのかもしれない。 これも。 またこれも。 ちょっと小道に入るとこんな生活空間も。 そこから5分も歩くと、こんな世界的に有名な上海の風景が出現する。 最後の晩餐。国の勢いを感じさせる演出が隅々までなされていた。晩餐会に出席後、会場を後にしようとしたら、ボランティアの学生たちが参加者に何かを配付していたので、近づいてみると、なんとその日の昼まで開催されていた大会の厚さ3センチにもなる写真アルバムだった。納品されたばかりとみえ、乾き切らないインクの匂いがプンプンしていたが、わずか数時間前の閉会式でスピーチしたジャック・シラク前フランス大統領の写真まで掲載されていたのには、さすがに度肝を抜かれた。大会最終日には「上海宣言: 調和のとれた社会開発のための博物館」が出されたが、邦訳する時間的余裕がないので、原文(英語)のまま掲載する。 SHANGHAI DECLARATION ON MUSEUMS FOR HARMONIOUS SOCIAL DEVELOPMENT Underlining the theme of the ‘ICOM 2010’ General Conference in Shanghai, Museums for Social Harmony, as a profound and resonant concept for global society; Recalling the crucial change in ICOM’s international definition of museums in 1974, introducing for the first time a clear statement of museums’ social purpose: that museums exist ‘in the service of society and its development’; Noting that the concept of ‘society’ itself has undergone transformation in the decades since ICOM profiled museums’ social responsibilities – and that all modern societies today are increasingly challenged by far-reaching changes internally and in their relations with the world, where values and ideas about future development are evolving dynamically in an ever more pluralistic environment; Affirming the enlarged ethical responsibilities of museums, as set out under eight broad principles in the ICOM Code of Ethics for Museums (2004), which includes the following statements: (Principle 1) Museums preserve, interpret and promote the natural and cultural inheritance of humanity. (Principle 4) Museums provide opportunities for the appreciation, understanding and management of the natural and cultural heritage. (Principle 5) Museums hold resources that provide opportunities for other public services and benefits. (Principle 6) Museums work in close collaboration with the communities from which their collections originate as well as those they serve. Reaffirming the 1998 UNESCO World Culture Report framework, the breadth and pluralism of its vision of culture and ongoing work that promotes the indivisible connections between biodiversity and cultural diversity, between tangible and intangible heritage; Fostering recognition and respect for diverse social and cultural practices, to build strong societies that include persons and groups from varied backgrounds; Promoting openness, freedom of thought, conscience and belief, and wide access to knowledge generated by museums for all; Celebrating the increasingly important and reflexive roles that museums play today in international affairs, including as ambassadors for intercultural awareness and informed relations between nations; Warning that the positive recognition of difference and experience of intercultural communication with others cannot be passively assumed, but must be actively promoted by museums in their engagement with diverse audiences, to achieve greatest benefits to civil society in a global age; Emphasising the growing need for museums to develop skills, capabilities and new models of collaboration to provide a structured platform for interactions between different peoples, cultures and forms of knowledge; Members of the international museums community and ICOM delegates gathered in Shanghai for ‘ICOM 2010’ declare the important value of museums as agents for harmonious social development, in which individuals and diverse groups participate freely and actively – through museums’ preservation and projection of the varied environments, histories and achievements that human beings share, affirming humankind's unique and irreplaceable legacy for future generations. Shanghai, China 12 November 2010 The 25th General Assembly of the International Council of Museums
国立民族学博物館では、文化資源研究センター主催で「博学連携ワークショップ~学校と博物館が学びあえる場の構築をめざして~」を開催することになりました。学校、博物館、地域社会が共に学びあい、子どものために何ができるかを共に考えるワークショップです。
みなさま、ふるってご参加ください。 **************以下、転送歓迎************** 近年、学校と博物館の連携の重要性が叫ばれています。小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から完全実施される新学習指導要領には、博物館や郷土資料館等の施設の活用を図るべきであるとすることが前回(平成14年)の改訂に引き続き、または、それ以上に謳われており、学校と博物館が連携を深めることは大きな課題となっています。一方、前回の学習指導要領改訂時に導入された「総合的学習の時間」は小・中学校共にその授業時数が約2/3に縮減されるなど、学校が自由な枠組みで博物館等の施設を利用することが難しい時代に入ってきています。 国立民族学博物館で2月20日(日)に開催する「博学連携ワークショップ~学校と博物館が学びあえる場の構築をめざして~」は、以上のような学校や博物館を取り巻く状況の中で、学校、博物館、地域社会がお互いに学びあい、児童生徒のよりよい学びを作り出す方策を皆で考えることを目的としています。また、ワークショップに参加することで幅広いバックグラウンドを持った方々との交流を深め、相互理解のためのネットワークを構築するためのきっかけにしていただけたらと思っています。民族学に限らず、幅広い分野の専門・関心をお持ちの皆さまのご参加をお待ちしています。 -------------------------------------------------------------------------------- 「博学連携ワークショップ~学校と博物館が学びあえる場の構築をめざして~」 学校の、もっと学校が利用しやすい博物館であってほしいという気持ち。 博物館の、もっと博物館を学校に利用してほしいという気持ち。 学校と博物館がともに、学び合える場を目指すワークショップです。 ○開催日時・場所 日時: 平成23年2月20日(日曜日)10時00分~ 19時00分 ★要申込・参加費無料 場所: 国立民族学博物館(本館2F 第5セミナー室、本館展示場) ○内容 1. 学校の先生と博物館の学芸員による事例発表 (大阪市立自然史博物館学芸員 佐久間 大輔 氏、吹田市立第一中学校教諭 古川 岳志 氏) 2. ワークショップと成果発表会 (学校の先生や博物館職員などで班を作り、テーマに添って授業プランを考えます) 3. 講演「学校教育における博物館を活用した教育の現状と今後(仮題)」 (文部科学省生涯学習政策局政策課長 上月 正博 氏) 4. ワークショップ講評(学校・博物館関係者) 5. 情報交換会 ○対象・定員 対象: 博学連携に関心のある学校教員、博物館職員、その他関心のある方 定員: 50名 ○主催 ・国立民族学博物館 文化資源研究センター ○後援 ・吹田市教育委員会 ・日本ミュージアム・マネージメント学会 ・全日本博物館学会 ・日本国際理解教育学会 ○参加申込締切 平成23年1月31日(月曜日)※先着順 ○参加申込方法 申込は、メール・FAX・郵便にて受け付けます。 FAXまたは郵便にて申込の場合は、申込書に記入の上、お送りください。 メールでの申込は、申込書の各項目をメール本文に入れてください。 詳細は、HPを御覧ください。 http://www.minpaku.ac.jp/research/pr/110220.html ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::♪ :: 学校と博物館、 :: 両方にとっての :: 「いいこと」から生まれる、 :: 子どもたちの博物館での :: 「学び」について、 :: 一緒に考えてみませんか? ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::♪ ![]() ![]() 国立民族学博物館(民博)で、特別展「彫刻家エル・アナツイのアフリカ―アートと文化をめぐる旅」を開催中です。民族学の博物館としては、とても珍しい現代アートの展覧会です。かなり見応えがあります。 ------------以下、民博HPから転載------------ 同時代のアフリカ美術は、長らく外部から注目されることがなかったのですが、1989年にパリで開かれた「マジシャン・ドゥ・ラ・テール」展を契機に、多くの美術関係者の関心を引くようになりました。その後、今日まで、アフリカの現代美術に関する展覧会は各国で開催され、それに伴ってシンポジウム、出版も行われてきました。 ガーナ生まれでナイジェリア在住の彫刻家エル・アナツイ (1944-)は、近年、ワインやビールの瓶のふた、あるいはシールといった廃品を使い、優美でスケールの大きな織物を織りあげることで知られています。すでにヴェネツィア・ビエンナーレにも二度招かれ、また作品も主だった博物館、美術館に収蔵されるなど、いまやアフリカのみならず、世界的にもめざましい活躍を見せています。 しかしながら、アフリカのアーティストをとりまく環境には複雑なものがあります。たとえば、彼らの居場所は、いわゆる博物館と美術館の間で宙づりになっていることが多いのです。現に、アナツイの織物の作品は、ロンドンの大英博物館でもパリのポンピドゥ・センター(国立近代美術館)でも見ることができます。 本展では、こうしたアフリカの現代美術が置かれた状況を前向きに捉えなおし、エル・アナツイというアーティストの作品世界を、美術史と文化人類学の双方の視点から語ろうとします。そのことにより、美術史と文化人類学、美術館と民族学博物館の新しい創造的な協力関係を模索していきます。
例年通り、年末年始展示イベント(2010.12.16~2011.2.1開催予定)という民博の事務職員を中心とした職員の展示活動研修会を兼ねた小さな展覧会の準備を始めました。今年は僕が関わる最終年になるので、1月に採用された同僚への引継ぎも兼ねて一緒に企画を進めていく予定です。
毎年、春と秋に「遠足・校外学習 事前見学&下見ガイダンス」を開催していますが、昨年度から今年の春にかけては昨年の新型インフルエンザや総合的学習の時間の授業時数が2/3に減らることになる新学習指導要領の移行期間が始まった影響が大きいのではないかと思いますが、参加する学校教員の数が激減していました。秋のガイダンスは8月27日・30日・31日に実施中ですが、27日と30日は参加者数がだいぶ戻りましたので、安心しているところです。これからは、学校の先生たちとより緊密に連絡や連携をとって、よりより民博利用について共に考えていきたいものです。
8月5日に「博学連携教員研修ワークショップ」を開催しました。これは、民博教員や民博を頻繁に活用する学校・大学教員たちが、新任の先生や博学連携に関心のある人たちに対して行う研修で、今回で6回目です。今回も100名近くの参加者を得、充実した研修になったのではないかと思っています。この研修の特徴は、研修参加者が次回以降運営者側になることにオープンであることと、参加者からのアンケート結果を次年度の運営に反映させる意思を明確にしていることです。毎回課題はあるのですが、民博の中で今後も続けていきたいプロジェクトの一つです。このプロジェクトの代表者である民博の教員が1年半後に退職するので、誰にどう引継ぎをするかが喫緊の課題となっています。
博学連携教員研修ワークショップ2010
「学校と博物館でつくる国際理解教育-新しい民博展示を活用する-」 ※ 詳細は、こちら 国立民族学博物館を活用した国際理解教育の実践事例の紹介やワークショップを通して国際理解教育における博学連携の意義や可能性について考えます。 日時:2010年8月5日(木)10:20~17:00 場所:国立民族学博物館 セミナー室(2階)および本館展示場内 < 前のページ次のページ >
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