吹田市立博物館の「西村公朝写真展」が本日3月14日(土)に始まりました。「西村公朝写真展」は、吹田市立博物館の初代館長であり、仏像彫刻家、仏像修理者、僧侶、教職者であった西村公朝氏の多彩な生涯をたどる写真展で、平成27年度春季特別展「生誕100年 西村公朝展 ほとけの姿を求めて」(会期:4月25日(土)~6月7日(日))のプレ展示として位置付けられています。
内容は、①現代彫刻家を志した東京美術学校時代、②ほとけの姿を求めて仏像修理に貢献した美術院国宝修理所時代、③僧侶として愛宕念仏寺の復興に尽力した時代、④市民とともに歩む地域の歴史博物館の初代館長として吹田市立博物館を発展させた晩年と、時代別に西村公朝氏の生涯をたどることができるようになっています。 会期初日である3月14日(土)には、国際日本文化研究センターの名誉教授(元所長)で、宗教学者の山折哲雄さんが「仏像と仏教」と題して博物館でご講演されました。山折氏はご講演で、仏像は若い姿であるのに対して、神像は老いた姿であるとし、「老人は死して神になる。神に一番近いステージにいるのが老人である」と、神像が老いた姿である理由についてユーモアを交えて述べられました。また、「西村公朝さんは棟方志功さんにライバル意識を持っていたのではないか。十大弟子を制作した両者の違いは、志功さんの作品には芸術的な感銘はあるが宗教的な救いが無いかもしれないのに対して、公朝さんは死の直前に描いた十台弟子の中央に釈迦如来を描いたことで、宗教的な救いをももたらす作品に仕上げたということである」などと、興味深い考察をされていました。 「西村公朝写真展」は4月22日(水)までですが、春季特別展「生誕100年 西村公朝展 ほとけの姿を求めて」(会期:4月25日(土)~6月7日(日))がそのあとに続きます。西村公朝氏が、多くの業績の源というべき仏像修理者として修理をしてきた仏像や、貴重な修理資料などを展示します。これらを通して、その卓越した技術と、仏像修理への情熱を感じていただければ幸いです。ぜひ吹田市立博物館で西村公朝ワールドをご堪能ください。
by saotome_kenji
| 2015-03-14 18:17
| 9. 吹田市立博物館
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